2012年4月25日水曜日

『*[科学]』の検索結果 - Neko73のつめとぎ


マーガリンはプラスチックだって?

はてなキーワードの「トランス脂肪酸」が余りにもアレだったので色々知恵を貸して貰って編集したっていう。おかげで色々見られました。

トランス脂肪酸とは - はてなキーワード

元々はこんなん。

トランス脂肪� cite="http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kihon/content.html" >

トランス脂肪酸は油脂類に最も多く含まれており、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに特に含有量が多い製品があったほか、バター、植物油脂、動物油脂にも比較的多く含まれていました。

脂肪酸の総量が多ければトランス脂肪酸も多くなります。

脂肪酸は細胞膜を構成する物質ですが、トランス脂肪酸で形成されるとその細胞膜は弱く、免疫機能が低下することも指摘されています。

トランス脂肪酸で形成されると細胞膜が弱い?免疫機能が低下する?何をどうするとそうなるんだ?

追記:細胞膜を構成する不飽和脂肪酸がトランス型に置き換わってしまった場合流動性が低くなるということが考えられ、動脈硬化の要因になるようです。

多くのファストフード店や惣菜のお店で水素添加された油脂は、ショートニングの表示で利用されています。 フライヤーの中に入ってしまえば、液体化するので、まさか固体の油脂が使われているなんて、と驚かれるかもしれませんね。

まるで固体じゃいけないみたいですね。血管の中で固まっちゃうと思ってるのかな?

水素添加マーガリンの害が最初に指摘されたのはドイツです。水素添加マーガリンの発売開始時期・地域と、クローン病(腸の慢性炎症疾患)患者の出現時期と地域が一致したことがきっかけでした。

時期・地域が一致しただけ?その後どうなったの?

他のサイトも少し見てみましたが、どうもトランス脂肪酸を危険視する話はこればっかり気にし過ぎのように見えます。良くあるのが飽和脂肪酸が血液をドロドロにするから良くない、トランス脂肪酸もそうだという話ですが、それならトランス脂肪酸より飽和脂肪酸の方を問題にするべきでしょう。トランス脂肪酸を多く含むというマーガリンやショートニングも、トランス脂肪酸は副生成物に過ぎずその主成分は飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸を減らせばトランス脂肪酸の摂取量も減らすことができますし、トランス脂肪酸の割合が低くても飽和脂肪酸の摂取量が多かったら意味が無いハズです。

とはいってもトランス脂肪酸にリスクが無いワケではありません。

トランス脂肪酸とは、何ですか?|よくあるご質問|生活クラブ

トランス脂肪酸を多く摂取するとLDLコレステロール濃度を上昇させる作用が確認されており、飽和脂肪酸よりもその作用が強いという報告もあります。LDLコレステロールの変化は摂取脂肪酸のバランスと総量に影響されますが、トランス脂肪酸に関する実験を総括すると、摂取総エネルギーの概ね5%以上のトランス脂肪酸を摂ると影響が現われるとされています。

何をどのぐらい食べると「総エネルギーの概ね5%」に達するのかちょっと想像できませんが、農水省のリストが参考になるかもしれません。

農林水産省/食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量

特に多いのはポップコーンとショートニングかな?ハヤシルウなんてのもありますがこれは溶かしますからねぇ。

トランス脂肪酸の摂取が乳癌などの発症リスク増加と関係があるとする疫学研究報告があります。しかし同様の研究で、有意差はないが増加したとする報告や有意差はないが減少したという報告もあります。

飽和脂肪酸やn-6系脂肪酸(リノール酸など)に関する疫学調査でも、同様に脂肪酸摂取により乳癌の発症リスクが増加したなどと報告されています。脂肪自体について過剰な摂取が乳癌や大腸癌の増加と関係があるとされていますが、偏った種類の脂肪の摂取は有害な作用をもたらす可能性があると考えられるので、摂取バランスが重要と言えます。トランス脂肪酸等に関しても、非常に偏った摂取をしない限り、乳癌等の心配はないと考えられます。

トランス脂肪酸に限らずバランス良く摂取した方が良い、というありふれたお話。

トランス脂肪酸で問題とされるコレステロール上昇作用や発癌リスクは、脂肪酸の摂取量と摂取バランスに関係するものです。コレステロール上昇作用は摂取総エネルギーの概ね5%以上のトランス脂肪酸を摂った場合に問題になるとされており、欧米やWHOの専門機関はトランス脂肪酸の摂取を総エネルギーの1%以下にするよう勧告していますが、日本人は平均で0.7%程度とされています。さらに日本では欧米と比較して、魚類などからの多価不飽和脂肪酸摂取が多く、逆に食肉等からの飽和脂肪酸摂取は少ないため、平均的な食生活をしていれば、トランス脂肪酸の影響は心配ないと考えられます。発癌リスクに関しても同様に考えられます。

酷い食生活をしてなければ影響なさそうですね。

ちなみにここでもプラスチックについて触れられています。

油脂には常温で液体のもの(なたね油・大豆油・米油・べに花油など)と常温で固形のもの(パーム油・ヤシ油・豚脂・乳脂など)があります。油脂の構造はグリセリンに3つの脂肪酸が結合しトリグリセリドと呼ばれています。脂肪酸は炭素原子と炭素原子の結合の仕方で様々な種類があり、グリセリンに結合する脂肪酸の種類や配置によってなたね油になったり大豆油になったりします。よって、常温で液体と固体の油は脂肪酸が違うだけで同じような構造であると言えます。

プラスチック(合成樹脂)の構造は油脂の構造と全く違い、エチレン・プロピレン・塩化ビニル等の重合によって構造されています。油脂にありますトリグリセリドはありません。

油には脂肪酸が有るけれどプラスチックには無い。そもそも別物、ですね。

全く違う性質のプラスチックはともかく、トランス脂肪酸とそうでないシス型の脂肪酸はちょっと分子のつながり方が違うだけです。そのちょっとした違いが有害かも知れないというのは生体の奥深さでしょうか。このちょっとした違いで匂いも変わります。

鏡像異性体は沸点や水への溶解度などほとんどの物理化学的特性や、 鏡像異性体を有しない化合物との反応性において全く同じ性質を示す。 しかし、鏡像異性体とは異なる相互作用をするため、その塊である人間にとっては別物である。 例えば(R)-リモネンはオレンジの皮などに含まれる芳香成分であるが、 (R)-リモネンはオレンジの匂いがするのに対し、(S)-リモネンはペパーミントの匂いがする。

それだけ生物は複雑なんですね。例えば目の光を感知する仕組みにはシス型の物質が使われていて、これが光の刺激によってトランス型に変わることで情報を送っているのだとか。

ロドプシン は視細胞において光センサーとして働く分子で、オプシンと呼ばれる蛋白質に レチナール が結合したものです。簡単に言えば目において光を感知する分子です。そして視細胞内でのレチナールに含まれるある二重結合はシス型であることがわかっており、これが 光を感知する機能に重要 なのです。と言うのは、光刺激による11-シス-レチナールからオールトランスレチナールへの異性化で大きな構造変化を起こし、その構造変化をシグナルの始点として光の情報が脳に送られるからです。もしオプシン中のレチナールが安定なシス型だと光刺激を受けても構造変化しないでしょうし、もちろん飽和でも同じことです。あえて不安定なシス型の二重結合を用いることで、光刺激によってトランス型へと異性化する構造変化を巧みに利用 しているようです。ちなみにトランス型へ異性化したレチナールは暗所で酵素的にシス型へと戻されるそうです。

かように複雑な人体ですから、トランス脂肪酸の害というものが有っても不思議はありませんね。農水省にも色々と情報があります。

農林水産省/トランス脂肪酸の摂取と健康への影響

まぁでも、結局はこれでしょうか。

部分水素添加油脂に由来するトランス脂肪酸は、健康への便益が無いことが立証され、明確な健康リスクのある、工業的な食品添加物と見なすべきである。

特にこれといって益は無いというワケでして。減らせるなら減らすに越したことはないと。

後はこちらがちょっと気になりますが…

対照試験及び観察研究では、特に、例えばインスリン抵抗性が既にある、内臓脂肪症又は運動不足などの危険因子を抱える個人において、トランス脂肪酸がインスリン抵抗性を悪化させる可能性が示唆されている。

何にせよトランス脂肪酸だけを避けることはできませんから、油・脂肪の取り過ぎに注意するという対応に変わりはないと思います。

アスパルテームについて主に畝山さんのブログ他を片っ端から読んでみた

最初に言っておきますが私は専門家の端にも引っかからない素人です。間違いが有ったらなるべく対応したいと思いますが、手に余る場合はそのように申し上げるかもしれません。

で、アスパルテームだかアステルパームだか判らなくなるアスパルテームですが。(ならない?)

ダイエットコークを始めとして様々な飲料・食品に使われている合成甘味料で、アスパラギン酸とフェニルアラニンというアミノ酸でできています。砂糖よりも甘味が強いので、砂糖を減らしたり使わないことを売りにした製品に入っているワケですね。

ところがコレ、毒だと主張する人がいます。本当に毒性があるんでしょうか?

断って置きますが、私は別にアスパルテームを摂取しろと言うつもりなどありません。自分自身わざわざダイエットじゃない普通のコーラを選ぶぐらいで、なぜかと言うと味が気になるからです。アスパルテームだけでなくアセスルファムもエリスリトールも避けて砂糖の入ったものを選びます。

しかし気にならないのであればアスパルテームのような合成甘味料は糖分の取り過ぎによるリスクを避けられるメリットがあります。ですが嫌いだったり不安を感じているのであればアスパルテームなんて口に入れなくても生きていけますから我慢する必要はありません。また、合成甘味料は嫌だけど砂糖を避けたいのならこういうものも有ります。

マービー甘味料はトウモロコシなどの澱粉(デンプン)から作られる還元麦芽糖水飴を100%使用しています。

体内でインシュリンの分泌をほとんど促さないので、脂肪分と同時に摂っても大丈夫。つまり脂肪が体内に蓄積されず、血糖値も上昇させません。さらに、マービー甘味料は、糖尿病や肥満症などのカロリー摂取制限を必要とする方に適した低カロリー甘味料として厚生省の許可を受けており、発売以来25年以上にわたって、病院や薬局を通じて多くの方に使われています。カロリーコントロールが必要な方や、健康にダイエットしたい方など、ご家族皆様で、安心してご利用いただける甘味料です。

原料はトウモロコシなどのデンプンですし、麦芽糖もなじみがありますよね。食品は天然ものじゃないと心配な人でも大丈夫ではないでしょうか。これなら砂糖も合成甘味料も両方避けられます。

その気になれば果物の甘味を利用するとか砂糖が貴重だった時代の知恵も使えるでしょうから、探せば色々な方法を実践している人がいるのかも知れませんね。

ただし天然の材料を使った甘味料だから絶対安全というワケではありませんから注意するにこしたことはありません。砂糖でもそうですが、何であれ際限なく使うのはやめた方が無難です。

・妊娠中、授乳中の安全性については充分な情報がないので、通常の食品に甘味料として添加される量を超える大量摂取は避けた方がよい。

・血糖降下作用のあるハーブ、サプリメントや糖尿病治療薬との併用では、血糖コントロールに影響を与える可能性がある。II型糖尿病患者は注意が必要である。

・ステビオサイドは血圧を下げる作用があるため、ベラパミルなどのカルシウム拮抗剤、血圧降下剤、血圧低下作用のあるハーブやサプリメントの作用に相加的に働く恐れがある。注意して用いること。臨床検査値などでもステビアが血圧に影響することがある。

・ステビオサイドには変異原性、遺伝毒性、避妊活性、催奇形性などはみられない。しかしながらステビオールとステビオールの代謝物はin vitro で変異原性がみられた。

・ステビアは、生殖に関して副作用をもつ可能性がある。ステビアの水性抽出物は雄のラットの精子の数を減少させ、精巣の重量を減少させる。ステビオールを食べたハムスターのメスでは子孫の数とその体重が減少する。

まぁ普通は大量に摂取しないでしょうから大丈夫だと思いますが。正直脅かしすぎですよね。「in vitro で変異原性」というのは培養した動物の細胞とか微生物で実験して見つかったということで、生きた動物だとまた違うのでしょう。でも妊娠中などは一応警戒してください。持病のある方も。

さてアスパルテームに戻ります。

えー、これはちょっと極端過ぎますかねぇ…でもアスパルテームが有害だという主張の根っこにあるものは見えていると思います。

具体的な害については発癌性・催奇形性・脳の異常・失明・躁鬱病などなど、重大なものが並んでいますが、根底にあるのは食品産業への不信、大企業と政府の癒着を疑う猜疑心、さらにアメリカの便利さにまかせたドラッグカルチャーみたいなものが日本の食文化を侵食しているという不安、といった所ではないでしょうか。

しかも「アスパルテームをめぐる攻防戦はFDA史上最大と言われ、いまだに語り草になるほどのもの」だそうで、そのような大反対にあっていながらレーガン政権になるとFDA局長が「元国防省の研究者アーサー・ヘイズ」に交代、アスパルテームが認可されてから現在に至るまで世界的なシェアで利益は莫大…疑いたくなるのも仕方ないかもしれません。

しかし仮に癒着が有ったとして、それはアスパルテームの有害性と関わりのある事なのでしょうか?

明確に害が有るのならそれを証明すれば済む話です。しかし害が無い事を証明するのは難しいでしょう。「強硬な反対にあっているが害は無かった」としたら?

十分な安全性を確認しないまま押し通したのであれば問題です。しかし現在まで長い間アスパルテームは使われ続けているワケで、本当に害が有るなら人体実験をしているようなものじゃないかと思います。それで害は証明されたのでしょうか?

「食品安全情報blog」にはアスパルテームの安全性を巡る記事が多く有ります。論文からの引用なども有ってかなり専門的な内容ですが、参考にさせて貰いましょう。

アスパルテームは毒か

「ADI」という見慣れない言葉が登場します。先にこういったサイトを見ておくと良いでしょう。

化学物質が有害な作用をしない量が「NOAEL」です。動物実験ですね。個体差が有るので複数の固体に投与して全て影響の無かった量を使います。

この時点でかなり安全な量ですが、動物と人間では違いもあるので念の為10分の1にします。それでも個人差で敏感な人がいるかもしれないのでまた10分の1にします。合わせて100分の1。

つまり動物に影響が無い量の100分の1が「ADI」です。

他にも「LD50(半数致死量)」とか「ED50(半数作用量)」とか載ってますが、半数致死量のような数値を出すにはそもそも死んで貰わないといけませんから、それだけ強力な毒性が無いと判らないでしょう。半数作用量にしても半数に害を与える程度の強さが必要ですよね。

量を増やすにしたってあまり膨大な量になってしまうと実験動物のラットなりに食べて貰うのが大変です。甘味料だったら甘味料を加えた餌というより甘味料しかない様な状態になってしまうでしょう。それで害が有ったとして、それは普通の餌をほとんど食べてないからじゃないの?ってことになりかねなません。偏食のラットじゃなぁ。

さて問題のアスパルテーム。

イタリアのEuropean Ramazzini Foundation of Oncology and Environmental Sciencesが、2005年と2006年にアスパルテームを含む餌を与えたラットでリンパ腫と白血病が増加したと主張する二つの報告を発表した。EFSAがこの報告及びその他の研究を評価し、2006年5月に現行のADI 40mg/kg bwを変更する理由はないと発表した。

「European Ramazzini Foundation of Oncology and Environmental Sciences」長いですが略して「ERF」は何度も出てきます。アスパルテームの有害性を主張する研究団体みたいです。

FSANZはアスパルテームの安全性を評価して食品への使用を認可した。FSANZはさらに2003年9月にアスパルテームの現状の摂取量を詳細に調査した。その結果平均的消費者はADIのわずか6%、高摂取群でADIの15%を摂取していることがわかった。この調査に基づきFSANZはオーストラリアにおけるアスパルテーム摂取量は健康に有害な影響が出る濃度より充分低いと結論した。

「高摂取群」でさえも「100分の1」のADIと比べて15%の摂取量。仮に有害性が有ったとしても、この量で害なんて出るんでしょうか?

アスパルテームは砂糖の約200倍甘い甘味料で世界中でこれまで25年間ソフトドリンクや低カロリー食品などに使用されてきた。膨大な研究が、たとえたくさん食べたとしても、アスパルテームの代謝物が有害影響をもたらすほど蓄積することはないことを示している。アスパルテームをADI相当量摂るには成人で14本の砂糖無し飲料を毎日飲まなければならない。そしてなんらかの悪影響が出るにはそれを生涯毎日続けなければならない。

想定されたドリンクのサイズを知りませんが350ミリリットルでも14本はキツイですね。

わずかな使用量である事はアスパルテームのような高甘味度甘味料に共通のメリットで、様々なものが使われていますがいずれも微量です。

人工甘味料は、米国栄養学会ADAによれば、消費者がカロリーを削減し体重をコントロールすることや糖尿病のような慢性疾患を管理するのに役立ち、虫歯予防の可能性もある。

今日FDAが認可しているのは5つの人工甘味料で、これらは食品添加物として市販前に安全性を評価されて認可されている。認可された甘味料の典型的米国消費者の使用量はADI未満である。

アスパルテームは砂糖の200倍甘い。そのカロリーは砂糖同様4kcal/gであるが、使用量から考えるとカロリーなしとみなすことができる。ブランド名としては NutraSweetや Equalがある。1981年に初めて卓上用やガム、朝食シリアルや他の乾燥製品用として認可され、1983年には炭酸飲料に、1996年には全ての食品と飲料に一般用甘味料として使用認可が拡大された。

承認前にFDAはガンや有害影響がないという膨大な数の動物実験結果をレビューした。 この中にはヒトの摂取量の100倍以上高用量をラットに投与した研究も3つある。

アスパルテームはカロリーゼロでは無いんですよね。でも200倍甘いので使う量が200分の1です。

「ヒトの摂取量の100倍以上高用量」というのは通常摂取している量に対して100倍ということなのかADIに対してなのかどっちだろう。

アスパルテームは食べると体内でメタノールと二つのアミノ酸−アスパラギン酸とフェニルアラニン−に分解される。これらの物質は他の普通の食品からもっと大量に生じている。

フェニルアラニンが含まれるため、アスパルテームは遺伝的疾患フェニルケトン尿症の患者にはリスクとなる。この疾患の患者はフェニルアラニンを代謝できないため、アスパルテームを避けるべきである。アスパルテームの規制には製品にフェニルアラニンを含むことを表示することを求めている。

どうもこの話が脳障害を起こすという誤解に繋がっているように思います。フェニルアラニンは他の食品にも含まれているのでアスパルテームに特異な問題ではありません。


誰が原子力のためにイランに遠心分離機を売却

工業用アルコールを使った劣悪な酒などで有害と知られるメタノールも微量なら食品に含まれる可能性があるようです。

アスパルテームは消化管でフェニルアラニンとアスパラギン酸の二つのアミノ酸とメタノールに加水分解される。メタノールは代謝によりホルムアルデヒド、次いで蟻酸に変換される。Soil & Healthの主張に欠けている重要な情報は食べる量が少ないということである。

実際メタノールをもっとたくさん含む食べ物は柑橘類やジュース、トマトなどたくさんある。どのような食品由来であってもメタノールは同じである。

2006年7月25日の記事は人工甘味料全般に触れていますが、サッカリンも不安を抱く人が多いと思います。

サッカリンは砂糖の200-700倍甘くカロリーはない。ブランド名としてはSweet'N Low、Sweet Twin及び Necta Sweetがある。サッカリンは卓上甘味料、焼いた製品、ソフトドリンク、ジャム、チューインガムに使用されている。

サッカリンは 1879年に発見され、1972年にリストから外されるまでは一般的に安全と認められる(GRAS)と見なされてきた。GRASは法律の定義では食品中に安全な使用の長い歴史があるか科学的根拠による。しかしもし新しい根拠により安全性に疑いがあればFDAはその使用を禁止したり安全性試験を要求したりできる。

1977年にFDAはサッカリンが高濃度投与によりラットの膀胱ガンを誘発するとの懸念から使用禁止を提案した。それに反応して議会はサッカリン試験及び表示法Saccharin Study and Labeling Actを採択した。この規制は安全性研究が行われる間禁止を一時停止するものであった。同時にサッカリンを含む食品には、この甘味料に健康上のハザードがある可能性があり実験動物でガンを誘発することがわかっているという警告表示を要求した。サッカリンについてはヒトにおいて30以上の研究が行われた。

国立ガン研究所NCIによれば、さらなる研究の結果、サッカリンはヒトではガンを誘発せず、ラットにおける膀胱ガン発生メカニズムはヒトでは当てはまらない。

2000年にNTPはサッカリンは最早「発ガンの可能性のある物質」ではないと決定した。

2001年に連邦規制でサッカリンの警告表示の要求は取り除かれた。

安全と認められていたものが後から使用を禁止された事で不信を招いたんですね。しかし現在は使用可能です。それはなぜでしょう。

このうち,グループ2Bに分類されるのが,実験動物に癌をおこすがヒトでは発癌性の問題はないと考えられる化合物などである。

この事例,つまり,かつては発癌性があり危険だといわれていた化合物が科学の進歩によって安全であることがわかった有名な例はサッカリンである。サッカリンはラットに膀胱癌をおこすが,これはラット特有の反応に由来し同様の反応は存在しないヒトには全く問題がないことが明らかにされている。

リンク先に記述によればサッカリンは「グループ2B」です。

サッカリンが雄のラットの膀胱に対して弱い発癌性を示すことが報告され、ヒトでも可能性があるとしてFDAがサッカリンの使用を禁止するよう勧告したのが1977年だそうです。ところがその後の研究で、サッカリンが雄のラットの膀胱にのみ発癌性を示すのは、高濃度の検体がもともと結石を作りやすい条件の雄のラットの膀胱で結石を生じ、その物理的刺激によるものだということが明らかにされました。これはヒトでは起こり得ないことで、その結果サッカリンは「ヒトに対して発癌性があると考えられる物質リスト」から外されています。

猿を使った実験も行われ、その結果からも人に対しては安全であると考えられています。

他にアセスルファム-K・ネオテーム・スクラロースも紹介されています。ERFの話も出ていますが2005・2006年ということで前のと同じ話でしょう。

でもこのERFっていうのはどんな団体なのかな?

ERFって信用できるの?

イタリアの研究者らがアスパルテームの安全性に疑問を呈している。

研究者等は甘味料を投与されたラットが現在ヒトへ推奨されている量より少ない量でガンを誘発すると報告しているが、これはこれまでのアスパルテームが安全だとするほとんどの研究に矛盾している。

専門家らはこの研究は正統ではない方法で行われたもので、どうしてこの甘味料がガンを誘発できるのかを理解するのは困難であるとしている。アスパルテームは血流に入る前に分解されて通常体内に存在する物質になるからである。

イタリアのボローニャにあるCesare Maltoniガン研究センターのMorando Soffrittiらは8週齢のラット1800匹に最大3年の生涯にわたりこの甘味料を与えた。死亡後に組織を観察している。その結果20 mg/kgから雌の白血病が増えたとしている。WHOによればヒトにおけるアスパルテームの安全量は40 mg/kg体重/日で、これを超えるにはダイエットコーラ28缶以上飲まなければならない。

米国環境健康科学研究所の毒性計画議長のJohn Bucherによれば、通常このような試験ではラットは2年でと殺される。ガンは加齢とともに増えるので、発症するガンを全て見たい場合には死ぬまで生かす。しかし死ぬまで生かした場合、年齢の違う動物を比べることになるので通常の統計解析は問題がある。そのほかにもこの研究には奇妙な部分がたくさんある。

まず、アスパルテームは分解されてタダのアミノ酸になるので、どうして害を及ぼすのか判りません。どういうメカニズムなの?という疑問があるワケです。そして今までの研究では害があるというデータが無いということなので‥RFの報告は他の研究と矛盾します。

通常の試験では2年でお終いの所を、死ぬまでずっと観察して癌になるものを探したみたいですが、どうも統計のやり方に問題があるようです。年を取ると癌になりやすくなるので年齢が違うと比較が難しいんですね。

実験の詳細は実験室内コロニーのSDラットを用いて生後8週間から0-10万ppmのアスパルテームを生涯与えたものである。これは平均体重400gで20gの餌を食べるとしてFDAによるアスパルテームのADI 50 mg/kg bw/dayの0-100倍に相当する。対照としてこの研究所で過去20年間に行った実験の結果と比較しているが、個別の実験内容や全体の中のどういう例なのかは示されていない。RAMAZZINI研究所はこの実験で20mg/kg bwでもアスパルテームが多臓器発ガン物質であると主張し、これまでのバイオアッセイと結果が異なることについては自然死するまで飼育することと動物種の違いが原因である可能性を示唆している。COCの意見としては、自然死するまで飼育するというプロトコールは普通ではないこと、投与濃度の幅が非常に広いのに用量反応性が非常に少ないこと、最高用量はOECDの推奨する栄養状態に影響のない最大5%を超過し10%となっていること、飼料の説明がないが呼吸上皮の変化はアスパルテームの吸入による刺激である可能性があることなどを述べている。

過去の実験結果というのがどういうものか示されていないというのは問題ですね。それじゃ比較した相手と何が違うのか判りません。死ぬまで観察するのも普通やらないということで使いにくいデータのようです。それに栄養状態に影響が無いように決めた量を超えて与えているので、その点でもやっぱり使いにくいでしょう。

「呼吸上皮」が変化したと報告されているみたいですが、飼料の説明がないということでアスパルテームをどうやって与えたのか判らないので、吸入させたとすれば吸入の刺激で変化したんじゃないかと疑われています。毒じゃなくてもそういうことは起きるでしょう。

「用量反応性」についてはこちらなど。

404 Not Found

塩や砂糖みたいに安全と考えられているものでも大量摂取すれば毒になりますが、問題にならない量というのがあるワケですね。少量では安全な物質ならグラフにすると最初は横這いで途中から立ち上がる形になります。アスパルテームはADIが定められていますからそういうグラフでしょう。

タバコの例では真っ直ぐですがこういうのはどんなに僅かでも量に比例して影響があるということで、いわゆる発ガン物質はこうなるようです。この「閾値なし」になる物質はできるだけ排除した方が良いワケですが、アスパルテームの場合もそうなら過去の研究で判りそうなもんです。

投与濃度の幅が「0-10万ppm」ということで幅の広いデータが提出されたワケですから、それを見ても害が認められないというのはどんな結果だったんでしょう?

結局こんな評価に。

「毒性学のデータは非常に複雑なもので解釈には注意が必要である。全ての生命科学においてと同様偽陽性や偽陰性がよくあり、そのようなデータを適切に解釈するには専門性が必要である。過度に単純化した解釈は間違った結論を導く。」

「最もわかりやすい例は最近のイタリアのラットでのアスパルテームがガンを誘発すると主張している研究である。これらの研究はアスパルテームやその他の食品成分の毒性について何らかの情報を提供できるようなものではなかった。実験に使用された動物は自然死するまで生かされ、すなわち加齢の結果を示すように、(加齢の結果、誰もが知っているようにそれは自然のプロセスで、必然的に死亡する)計画された。」

「実際この結果から言えることは、毎日ADIの100倍以上も与えられたにも関わらず、投与群も未処置群と同じだけ長生きしたということで、アスパルテームは安全であるようだということである。もしアスパルテームが彼らの言うように恐ろしく毒性の高いものであるなら、アスパルテーム投与群のラットは早く死ぬと考えるのが論理的である。イタリアの研究者らの主張は彼ら自身のデータから支持されない。」

間違った解釈だと言われた上に主張と逆の結果が見て取れると結論されちゃいました。

もっと詳細なのがこちら。

ERF研究の知見に関するAFCパネルの結論は以下のようなものである。

1. リンパ腫/白血病の頻度増加は、背景となる肺の慢性炎症性病変の高頻度と用量相関性の無さからアスパルテームとは関係ない。このような腫瘍は慢性呼吸器系疾患を患うラットの肺のリンパ肥大の結果生じることが良く知られている。この知見を説明する最も可能性の高いものは、このコロニーが慢性呼吸器系疾患に罹患しているため生じたということである。アスパルテーム投与群で僅かに増加したというのは偶然であると考えられ、従ってこれは無視できる。

2. 雌ラットの腎石灰化に沿った腎盂・尿管・膀胱の前ガン病変及び腫瘍性病変は、少なくとも高用量では投与に関連したものである。刺激性のある化学物質や腎盂石灰化を誘発する化学物質の高用量投与による影響は、ラットに特有のカルシウム代謝不均衡によるものである。従ってこれらの影響はヒトには当てはまらない。

3. 総悪性腫瘍数に関するデータはアスパルテームの発がん性の根拠とはならない。AFCパネルの意見としては、全ての腫瘍数の合計や腫瘍を持つ動物の合計を統計学的に処理することは正しくない。上述したように白血病や腎腫瘍は除外されるべきである。

4. 悪性神経鞘腫については、AFCパネルは腫瘍の数が少なく、用量相関が例え雄 で正の傾向があったとしても、幅広い濃度で非常に少ないことと診断の不確実性から、ERFの関連試験における全てのスライドの病理組織学的ピアレビューを行わなければ評価できないと結論した。

1の「偶然であると考えられ」に引っかかる人もいるかも知れませんが、偶然でない場合にはある程度差が出るハズだということで、偶然と区別が付かない程度の差しか出なかったので無視されたという事です。

2では量が多いと障害が出る事を認めていますが、それはラットに起こりやすいもので人間は心配無いようです。

3は他の原因を考えられるものまで一緒に処理するなという話ですね。

4はもっと詳しく見ないと何も判らないということかな。

で_007年に再びERFの試験が。

2007年に発表されたラットを用いた2つ目のERFの試験では、400及び2000mgアスパルテーム/kg餌の濃度(20 及び100 mg/kg体重/日)が用いられている。ラットへの投与は妊娠12日目から自然死までの間で、数は対照群が雌雄各95匹で低用量及び高用量群が雌雄各70匹である。著者らは悪性腫瘍のある雄の数が用量に関連して増加している、雄のリンパ腫/白血病頻度が高用量群で有意に増加した、雌のリンパ腫/白血病頻度が高用量群で有意に増加した、雌の乳腺腫瘍頻度が用量の関連して増加したと報告している。

ANSパネルは以下のように結論した:

・ 悪性腫瘍の頻度を合計して試験対象化合物の発がん性を評価するには、全ての腫瘍について発生時期や、腫瘍性でない、過形成、および前がん病変に関するデータを検討する必要がある。しかしながら著者らはこれらのデータを提出していない。リンパ腫や白血病のある動物の肺における炎症性病変の有無に関する情報が限定的にしか提供されていない。

・ 観察されたリンパ腫や白血病のほとんどが、慢性呼吸器疾患の特徴である肺の炎症性病変のあるラットで見られている。AFCパネルの先の見解通り、これらはアスパルテームの投与とは関係しないと考えられる。

・ 雌ラットの乳腺腫瘍の頻度ががん原性試験によりかなり違っていてしかも高頻度であることから、乳腺腫瘍頻度の増加はアスパルテームの発がん性の指標とは考えられない。さらにERFがもっと高濃度のアスパルテームを使用して行った先の試験では乳腺腫瘍の頻度増加は報告されていない。

全体として最新のERFの研究を含む全ての現在入手できるデータを基に、アスパルテームに遺伝毒性や発がん性を示唆するものはなく、アスパルテームのADI40 mg/kg体重/日を改定する理由はない。

「著者らはこれらのデータを提出していない。リンパ腫や白血病のある動物の肺における炎症性病変の有無に関する情報が限定的にしか提供されていない。」ってまたかよ。

「観察されたリンパ腫や白血病のほとんどが、慢性呼吸器疾患の特徴である肺の炎症性病変のあるラットで見られている。」ダメじゃん。

「ERFがもっと高濃度のアスパルテームを使用して行った先の試験では乳腺腫瘍の頻度増加は報告されていない。」をい。

ついにはこんなことに。

2007年のRamazzini財団によるラットでのアスパルテームの発がん性試験論文について、Bernadene MagnusonとGary M. Williamsから、既に世界中の食品安全評価機関から問題点を指摘されていてそれらに全く答えていないこのような欠陥だらけの論文を掲載したEHPの編集者やレビューワーの見識を疑う、という手紙。

それに対するRamazzini財団のMorando Soffrittiの回答がすごい。用量相関の無さや偶然有意差がつく場合がある(単純計算でp<0.5を有意と判断するなら20回のうち1回は偶然有意差がつく)などの指摘に対して「どんな用量や年齢や体重でも、なんらかの影響が見られれば問題にすべきだ(whatever the doses at various ages and weights, the finding of any effect should be a cause for concern)」と答えている。

そういう意見が通るのがEHPという雑誌なのだけど・・・呆れるしかない。そんな理屈なら何だって有害判定されてしまう。環境系の人たちはそれがおかしいとは思わないのかな。それともわざと?

ねぇ?

       / \  /\ キリッ
.     / (ー)  (ー)\      
    /   ⌒(__人__)⌒ \    <どんな用量や年齢や体重でも、
    |      |r┬-|    |      なんらかの影響が見られれば問題にすべきだ
     \     `ー'´   /
    ノ            \
  /´               ヽ              
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"〜〜``'ー--、   -一'''''''ー-、.    
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

これって…

             /)
           ///)
          /,.=゙''"/
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

って言ってるようなもんじゃないの?

はい結論。ERFの主張は信用できないし、アスパルテームの毒性は証明されませんでした。

10大学及び医学部から参加した国際専門家委員会が、1970年代以降からこれまでの500以上のアスパルテームに関する毒性学・臨床・疫学研究論文を調査した結果がCritical Reviews in Toxicologyの9月号に発表される。

委員会のメンバーであるBernadene Magnuson教授は、「メディアやインターネットでアスパルテームの安全性に関する疑問が常に話題になる。我々の研究はアスパルテームに関する全ての研究を包括的に評価したものである。」と述べている。

アスパルテームは現在の摂取量で、たとえ高用量摂取者でも安全である。アスパルテームに、たとえADIの何倍も摂った場合でも、発ガン性・神経毒性又はその他の有害影響があるという信頼できる証拠はない。

具体的に:

・ アスパルテームに発ガン性や発ガン促進作用はない

・ 記憶や学習能力などの神経学的影響はない

・ 行動や認知機能、神経機能や痙攣などへの影響はない

・ 生殖や乳汁分泌への有害影響はない

・ 糖尿病患者が使用しても安全で糖尿病患者の砂糖抜き食事に耐える一助となるかもしれない

・ アスパルテームと肥満に関連はない。逆に長期体重コントロールの一助となるかもしれない。

・ 脳腫瘍や血液系腫瘍発生との関連はない

ERFがあれだけ実験したんですからもう良いでしょう。「彼ら自身のデータから支持されない。」のです。

それでも心配だという人は居なくならないでしょう。害が有ると思ってるとそう見えるということだってあります。

気のせい?でもやっぱり気になる?

自分の息子(5-7才)は砂糖過敏症だと信じている35組の母子を対象にした試験で、研究者は子どもたちが砂糖群とアスパルテーム群に無作為にわりつけられると母親に話したが、実際には全ての子どもに与えたのはアスパルテームだけだった。この実験で自分の子どもには砂糖が与えられたと考えた母親は子どもの行動が多動になったと報告した、という有名な実験がある。保護者の期待が行動評価に影響することを指摘。

この場合砂糖を疑っているのにアスパルテームを与えたワケで、アスパルテームのせいだと思う人もいるかもしれませんが、重要なのは同じ条件なのに違う結果になったということですね。砂糖だと思い込んだ母親は影響があったと感じたワケです。

化学物質過敏症とか電磁波過敏症なんていうのもありますが、そういう症状は心因性だとも言われてます。そしてアスパルテームが体調不良の原因だと主張する人はやっぱり居るみたいです。

そういうものを気のせいだと言って片付けるのは簡単かも知れません。しかしイギリスのFSAは「逸話的根拠」も集め調査するそうです。

私は科学者としてある種の根拠は他のものより信頼できるものとみなす。例えば最良の方法で実施されてピアレビューを経て出版された二重盲検クロスオーバー試験の結果は誰かの経験談より重要である。

ピアレビューというのは専門家同士で審査しておかしな所がないか確認してから学術誌に載せてる、査読というヤツですね。

二重盲検クロスオーバー試験は…えーと。


ホワイトハウスの下にトンネルがあります

薬の効果を試験する時、その薬の効果と比較する為に別の薬を用意します。可能で有れば何の効果も無い偽薬(プラセボ)を使うと判りやすいのでそうします。(例えば抗癌剤と比較するのには使えません。効かないと知ってて使ったら殺人になっちゃいますよね。)医師も被験者もどちらの薬か知らないのが二重盲検(ダブルブラインド)で医師だけ知ってるのが単盲検とか一重盲検(シングルブラインド)です。

クロスオーバー試験(交差試験)はグループAとグループBでそれぞれ違う薬を使った後、薬を入れ替えて続けます。グループAが薬A・グループBが薬Bの後は逆にしてグループAが薬B・グループBが薬Aです。公平ですね。

両方組み合わせて、正体を知らない薬を順に入れ替えて使えば完璧に近いだろうというワケです。

病は気からと言いますが、実際調子が良くなったり悪くなったりすることは知られています。ズバリ、プラセボ(プラシーボ)効果ってヤツです。さらに医師が薬の効果を知ってる場合はそこで思い込みが結果に対する評価を左右するかも知れません。だから二重盲検が必要なんですね。

とはいえFSAがリスクアセスメントを行う場合には、情報源による重み付けは行われるものの全ての根拠は重要でどれも割引されたりはしない。私は英国女性協議会の今年の10月の年次会合で逸話的根拠の利用に関して議論が行われ、「英国政府に意志決定の才に逸話的根拠の重要性を認めさせ、逸話的根拠を探し、記録し、厳密に調べてもしそれが本当であることがわかったら対応できるようなシステムを作るよう働きかける」動議が採択されたことに興味を持っている。

再現性のある根拠を示してピアレビューにより批判されることは科学の基本的プロセスであるが、FSAは科学だけを仕事にしているわけではない。FSAが助言を行ったり政策を決定したりする時には、より広範囲の根拠(個人の自由、規制上の制約、社会的経済的文脈、消費者のリスク嗜好)をもとにしている。この二番目の段階は科学とは異なり、最終的結論を出すまでに何度か繰り返される協議による。

私は逸話的根拠は、より厳密な科学的研究のきっかけとなると思う。その結果再現性のある根拠が得られればリスクが評価できる。

最近FSAはアスパルテームに関する逸話的有害事象についてどう対応するのかと尋ねられた。最近のEFSAの助言フォーラムで、私は人工甘味料アスパルテームの影響に関する消費者の逸話に基づく懸念に対応する研究プロジェクトを提案した。この提案は、自称アスパルテーム高感受性集団と普通の人との間で、報告された症状と生化学的パラメーターを二重盲検クロスオーバー試験により比較するというものである。EFSAはこの提案に好感触を示し、さらに検討するための会合を予定している。

「自称アスパルテーム高感受性集団と普通の人との間で、報告された症状と生化学的パラメーターを二重盲検クロスオーバー試験により比較する」もしもこの結果に差が認められたなら、アスパルテームの安全基準が見直されるかも知れません。アスパルテームが原因で調子が悪くなるという人が無視されているワケではないのです。

それは具体的には頭痛や胃の不快感であるようですが…

FSAはアスパルテームに反応すると主張している人たちに焦点を絞った新しいアスパルテーム研究を始める。アスパルテームについては一部の人々が頭痛や胃の不快感などのいろいろな症状が出ると逸話的に主張してきた。

FSAの主任研究者Andrew Wadgeは次のように述べている。「この研究はアスパルテームの安全性を調べるためのものではない。アスパルテームが安全であることは既に確認されている。この研究はアスパルテームの性だと狩猟されている逸話的報告を含む消費者の懸念に対応したものである。FSAの見解は、アスパルテームは安全に消費できるというもので、現状の使用法を変更することは薦めない。しかしながら我々は一部の人々がこの甘味料を食べると調子が悪くなると考えていることを承知しており、そのため何が起こっているのかについての知識を増やすことが重要だと考えている。」

ひらたく言えば「何が起きてるか判らないので調べます」って感じですね。さんざん調べて安全なハズのアスパルテームで問題が起きているのはなぜ?どうして?

科学にとって「逸話的根拠」の役割は何か?本当のところ逸話的根拠は科学的意味での根拠とはならない。それは観察で、しばしば主観的で、見られた影響は同時に変動した多くの要素による可能性がある。観察は我々に何かの問題の理解を助けることもあるが、それだけで終わるものではなく、試験可能な仮説にむけた最初のステップである。

従って逸話的報告は、関係のない人々の間で同じことが多数報告されるような場合には特に、しばしばさらなる検討に値する。科学に基づいた機関として、 FSAは科学的根拠に注意を向けているが、逸話的報告についても継続して寄せられる場合にはより詳細な検討が必要だと感じることもある。

本日開始するアスパルテームの予備的研究の場合がそうである。一部の人々がアスパルテームを含む食品や飲料で頭痛や胃の不快感を報告している。何年にもわたる膨大な研究とリスク評価によりアスパルテームは安全であることが示されているが、反応するという報告は継続している。従って何故人々がそのようなことを報告するするのかが理解できるのであれば良いだろうと感じた。

単にアスパルテームの毒性ということであれば科学的にはこれ以上調べてもしょうがないって感じなんでしょうね。調査するのもタダじゃないので、こういう問題は無視されてもおかしくない様に思います。しかしあまりに多くの訴えがあるのでしょう。アスパルテームは沢山使われていますしね。

アスパルテームが不調の原因だと思っている人を調べたら別の原因が出てくることだってあるかも知れません。みんな同じ条件だった場合にはそれが解決の糸口になるでしょう。

まるで違う条件の人から同じような訴えがあるなら?それは「しばしばさらなる検討に値する。」のだそうです。

ミニ氷河期

なんでもミニ氷河期だから温暖化どころか寒冷化だそうなんですけど。こちらの記事。

 【大紀元日本1月15日】英紙「デイリーメール」10日の報道によると、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の重要メンバーであるドイツ・キール大学ライプニッツ研究所は、太平洋および大西洋の水温自然循環の分析により、「地球ミニ氷河期説」を発表したという。実際、コロラド州の米国家雪氷資料センターの数値によると、2007年より、北極は夏に海面氷結面積がすでに約106万平方キロ増加しており、増加率は26%にのぼったという。「地球ミニ氷河期説」は、北極が2013年の夏までに、完璧に融けてしまう「地球温暖化説」と1900年から始まった地球温暖化は人類が排出した温室効果ガスが原因であるとのこれまでの認識を覆した。

 ライプニッツ研究所・研究チームを率いるラティフ氏は、海洋の寒さと暖かさの循環の始まる所、即ち地表下914メートルのところの海水温度の測定を発案し成功したと2008年に発表、地球が寒い成り行きに変わることを予測し、2009年のIPCC会議で同説の主張を繰り返した。

 これに対して、米ウィスコンシン大学大気科学組織責任者ティサンニス氏は、「数十年振動」は世界各地で同時に発生したことによって、地球気候は「温暖化」から「寒冷化」に変化し、20〜30年後に再び逆転すると説明した。ティサンニス氏は、「数十年振動」は地球の気候を変え、20世紀と21世紀における地球気候変化の重大な要因の一つであるとラティフ氏に同調した。

てなわけで"PCCの名前を出し、ラティフ・ティサンニス両氏の名前とコメントを載せ、いかにも科学的でございますという風ですが…

ソースはデイリーメールで大紀元を経てネタサイトが掲載。いかにも怪しげなニオイがプンプンしてますね。大紀元ちうたら反共組織の法輪功が運営してるメディアじゃないの。どんなプロパガンダかまされるかわかったもんじゃない。

しかしブクマをみると「二酸化炭素を出して暖めなきゃ!」というような発言が多数見かけられる。

ネタですか?ネタですよね?ねぇ?orz

まぁブクマには「DMはタブロイドだからしょーがない」というような人もちらほら居て、みんながみんな鬼の首取った様に騒いでいるワケでもないのですが。

この報道について詳しくはこちらが取り上げています。まずMojib Latifについて。

指導的な科学者が、自身の研究を、現在の寒い天気が人間起源の地球温暖化の科学的証拠を損なうものだという主張とに結びつけた、ミスリーディングな新聞報道を攻撃した

かなり激しい反発ですね。自分の主張と逆の報道をされたんだから当たり前だが。

Guardianに対してMojib Latifは次のように述べた「人々が地球温暖化を否定しようとして私の声明を使おうとしたことに驚いている。私は人間起源の地球温暖化が起きていると考えている。私は、『私の名前がMojib Latifでなければ、それは地球温暖化だろう』と言った。我々が気候に影響を与え、気候は我々による温室効果ガスの排出に対応して変動していることに対する疑いは科学界にはない」

まさにミスター温暖化。(って性別しらないけど)

"Mail on Sunday"の記事は英国をつつむ北極気象と、Latifの研究チームが2008年にNature誌に掲載した研究を結び付けようとした。その研究は「海洋温度の自然の変動が世界的な温度に予想されるより大きい影響を及ぼす可能性がある」というものだった。特に、その研究では「海洋の冷却により地球温暖化が相殺されて、2000〜2010年および2005〜2015年の平均気温は1994〜2004年の平均を超えない」と結論していた。その当時の科学者たちは、この研究が予測される長期的温暖化トレンドに疑問を呈するものではないと強調していたが、この研究は地球温暖化から地球寒冷化への転換を示すものだと広く誤って報道された。

15年までは04年以前並かそれ以下なんですか。その後については従来通りと念を押していたと。

"Mail on Sunday"の記事は「Latifの研究は現在の寒い天気は、冷涼な天気への向かう地球的トレンドを告げるものであることを示した。BBCはこの大寒波は短期的な気象であって、温暖化を続ける気候とは何の関係もないという見方を保証した。しかし、Latif教授たちの研究はこの見方を論破するものだ」と述べていた。

既にBBCで短期的現象と報じてたんですね。それを改めて否定するような内容が、それ単体で日本に入ってきちゃうと困った感じ。

それはLatifの主張とは合わない。Latifは「それらは何の関係もない。我々が現在経験しているのは気象現象であり、我々は今後10年の平均気温について話している。これらは対置できるものではない。海洋温度の影響は地球全体の気温に影響を及ぼす他の自然現象によるものと同様のものだ。たとえば、火山噴火は火山灰により大気圏に入り込む太陽光を反射することで一時的に惑星を冷却する。自然変動は人間起源の温暖化と並行して起きる。ときには冷却効果となり地球温暖化を相殺するが、時には加速する。」と述べた。

他の科学者たちは海洋による全地球の気温への影響の強さに疑問を持っており、地球温暖化が予測された一時停止を起こすことに同意していない。

自然現象について話をしているのであり、人為的な温暖化とは別枠。片方で増減があったとしてももう片方でずっと増やしてたら最終的には増える。今回は減少だから相殺されて停滞するけど両方増加になったら超増える。みたいな。

Latifは「私の研究は20世紀の気温上昇の最大限半分が海洋の自然変動の影響だと示唆するものだが、これはIPCCの2007年のレポートと矛盾しないものである。地球温暖化が100%温室効果ガス排出によるものだと言っている気候専門家などいない。」と述べた。

IPCCのレポートを否定していません。原因の半分が海洋の影響だろうと、温暖化自体は支持しているのです。つーか100%人間のせいとは誰も言ってないと。

最後に「今回の記事が私の研究を歪曲した初めての記事ではない。」なんて部分もありますが、デイリーメールは酷いらしい。

ローマ教皇がキリスト教右派の聖書原理主義連中が大好きな反進化論と温暖化否定論であるように報道したり。

同じメディアなのにイギリスとアイルランドで逆の内容載せたり。

新聞を売るために、真逆のキャンペーンを行うDaily Mail紙。これらの記事は、同じ英語圏で、どこからでも読めるネット上にある。ネットで済ませる人々は新聞を買わず、新聞を買う人々はネットで記事を読まないと見きっているのだろうか。

新聞買わないネットユーザーにバレても痛くもかゆくもないってことですか。

温暖化に戻りましょう。もう一人の研究者Anastasios A. Tsonisについて。

ここで示唆した通り、動的に誘導される気候シフトが起きたとすれば、20世紀における同様のシフトの期間から、新たな全地球平均気温トレンドは数十年持続することが示唆される。もちろん、そのような期間にわたって現状のレベルで全地球平均気温がとどまるというのはまったくの憶測である。さらに、我々はここで記述した気候シフトが、人間によって推進されている長期温暖化トレンドに重ねあわされることに注意しておきたい。しかし、過去の気候状態におけるシフトの性質から、ほぼ一定な気温が10年以上にわたって続く可能性を考慮すべきである。2001〜2002年の温暖化の停止の背後にある至近の明らかな原因がないことは、気候システムに対する我々の理解、特に長期時間スケールのモードの内部気候� �動性と、そのようなモードの地球温暖化への影響の物理的推論と因果関係について疑問を呈する。幸いにも、このような疑問に対して、気候科学は急速に発展しており、近い将来には、シームレスな気候予測システムの範囲内で、10年スケールの気候変動性の原因と影響を特定することが可能になるだろう[Palmer et al. 2008]。また、そうすることが不可欠である。全地球平均気温の安定的な上昇のエンベロープの範囲外にある内部気候変化による、全地球平均気温の将来の変化のスペクトルの温暖側と寒冷側の両端で思いがけないことになるかもしれないからだ。

あくまで推測だが「気候シフト」が起きたなら、過去の状況に照らして数十年気温が一定する可能性が高い、と。しかしそれはあくまで短期間のものであり、長期的な気候変動の一部に重なる形で現れるもの。2001〜2002年の原因のわからない「温暖化の停止」については将来メカニズムが解明されると期待。また、そうしなければ温暖であれ寒冷であれ思いがけない事態に直面する可能性もあることから、解明されるべき、という感じ。

最後に、至近に地球温暖化が停止するとしても、大きな内部変動が気候にあることによって、何ら安心できるわけではない。気候が大きな内部変動性を持つことは、人間起源の放射性アノマリにも非常に敏感だということになるからだ[cf. Roe 2009]。もし、気候システムの内部変動性の役割が本研究も示唆する程度の大きさを持っているなら、内部変動性を過小評価している現行世代の気候モデル [Kravtsov and Spannagle 2008]が予測するよりも、21世紀の温暖化は大きくなることが示唆される。

短期的に気候変動が起きるということは、起きない場合に比べて人間の及ぼす影響がもっと大きく油断ができないということでもある。ちっとも喜んではいけないですね。

偽科学批判者は猫好き?

偽科学問題にコミットする人は猫好きが多いんだそうですw

本当なんだって!見ろ!w

偽科学関係無いけどここのロシアンブルーも良い。

イルカにカンガルー?自然な出産?

分娩のひとつの方法として水中出産を行うところがあります。自然分娩のひとつの方法として広まっているような面もありますが、人間は陸生動物であり水中で出産することは「自然」ではありません。水中出産は自然分娩ではありません。

こんなことわざわざ書かなくちゃいけないなんて・・・

「4日間水中分娩を行って」子宮内感染をおこし、「重症感染症のため,日齢5新生児死亡」。 よっぽど病院のごやっかいにはなりたくなかったんでしょうね。  繰り返しますが、これは「妊娠初期より助産所で管理されていた」「助産所からの母体搬送」例です。

出産に伴う感染症は洒落にならない。昔はこういうので沢山死んでたんですね。

水中出産が不自然だというのは、本当に仰るとおりです。

『人間はカバではないのだから』と仰る産科医の方もいました。

しかし、産科医の方の中でも意見の割れるところなのか、推奨している施設は実際にあります。

水中出産、それも自宅で、更に無介助でと、ミクシー内でもコミュがありますね。

恐ろしいです。

ある方からのご報告で、自宅出産での水中出産をされた方が、予後に問題が生じてしまい、保健所に通告したところ、

『自宅出産は管轄外』

といわれたそうです。

この方はきちんと助産師の介助をしてもらっていました。

しかし、不衛生な器具を使ったりしています。

それでも、自宅では管轄外なのです。

「管轄外」って一体何がどうなるんだ?

なんというか、産褥熱は医師が手を消毒すれば防げるというゼンメルヴァイスの発見はもう150年も前の話なのに、どうなってるんどしょう。

直感的には「水中」は衛生上かなり危険に思えます。そして、ゼンメルヴァイスは要するに「不衛生な出産は死の危険と隣り合わせである」ことを示したわけです。衛生の問題をクリアしつつ水中でとなると、かなり大掛かりな設備がいるのではないでしょうか。

「水中」指向は、まったく理解できません。

産褥熱なんて昔の言葉に聞こえるのに。水中出産で復活なんてことになるのはバカらしい。

私が第二子以降を分娩した大きな病院では、水中出産を推奨していました。(今はわかりません)

上記で書いたように、別の産科医の方と話して、そこでも推奨していると伝えたら、

「あのくらい大きな病院なら、消毒はしっかりとされているから大丈夫だろう」

というようなご意見でした(消毒以外の点でも、マンパワーなども含めて)。

実際に病院で使われている水中出産用の風呂は組み立て式で、その都度、しっかりと洗浄、消毒がされています。

助産院の中には、普通の風呂で行われている場合もあり(自宅は当然)、そうなると、殆どの風呂の構造上、細部にまでの洗浄も消毒も不可能です。

ただ、水中は最初は綺麗でも、母体にはどんな菌がついているかもわからないし、場合によっては旦那さんや助産師の方が加わるわけですから、どんんだけ消毒しても、回避仕切れる問題ではないですよね。

消毒だけの問題をとってみても、自宅や、助産院では無理ではないかと言っていました。

特に自宅となると、集合住宅だとタンクの不衛生さはどうしようもなく、風呂の構造だけではない問題もあり、かなり危険だそうです。

しかし、その不衛生さを松の成分で…とかと、アロマ程度でなんとかしようとしている事実があります。

(松以外も使われています)

それを助産師が指導していることでもあるのです。

(無介助分娩の場合でも、情報源は似たようなものです)


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自宅の風呂にアロマオイル・・・プロのやることかソレ。

仮説のひとつ「生後間もない幼児は水を怖がらず、水中で反射的に息を止める能力を持っている」について。

「生後間もない幼児」というのがどの月齢かわからないのですが、普通「生後間もない」といえば「新生児」(生後28日まで)のように思いますが、この時期の赤ちゃんは、モロー反射があるのでお湯に入れようとすると反射でびっくりして泣き出したりします。その状態で「水中では息を止める能力があるから」と、かまわず顔をお湯につけたら・・・あえいで窒息すると思います。

新生児の肺呼吸がどのように開始するか、まだはっきりわかっていません。出生時のさまざまな感覚的刺激(冷感、低酸素)や、産道外へ出ることで胸郭の圧迫がとれるためなど、考えられています。

呼吸運動だけでなく、「あえぐ」様子も見られます。声は出ていないけれど「呼吸をしそうな」動きですが、母体から顔が出ただけであえぎが見られる赤ちゃんもいますし、顔を出しただけで「おぎゃー」っと第一呼吸を始める赤ちゃんもいます。

水中では、声はださなくともあえいでいる可能性はあります。

水中分娩の記事を読むとみな水中から上がったら元気に泣き始めたというものばかりなのですが、きっと苦しい目にあった赤ちゃんもいるはずです。

ヒトはやはり、母体から出たらすぐに空気を吸えるほうが良いと思います。

お産の児頭娩出間近になると、お母さんの肛門は児頭で押されて哆開(しかい)します。当然、大腸菌とかお湯に混じります。

いまだかつて、肛門をしっかり閉じたままお産になった方を見たことはありません。

危険ばかりじゃないの。

「育児文化研究所関係の死亡事例は六県にわたっており、七事例を知ることができました。このように件数が整理されております。この六県にわたる七事例については、子供は死産または新生児死亡という診断で全員亡くなっておられる。母体についても大出血で病院搬送、また一人は精神不安定の状態になっているというような報告がなされております。[中略]

 このような未必の故意が疑われる案件が多いにもかかわらず、難解なのは、児が死亡した場合、母親自身、自分が未熟であるために子供が授からないのだ、そのことは母親である自分が悪いという洗脳とも思われる指導があり、父親、母親ともに被害者としての自覚に乏しく、事故後も会員であり続ける例もあり、今後もこのような事故を起こさないような保証がない案件なのではないかなと思っております。」

反社会的カルトと断言する事に躊躇する必要を認めず! ...と、思ったら、なんとこの「研究所」、と学会のお墨付きでした。

「おっと、名称に騙されてはいけない。この育児文化研究所、実はUFOカルト団体なのだ。UFOに乗った宇宙人が人類を救いに来る、といったことを、セミナーを受講しに来たお母さんたちに大真面目に教えているのである。」ートンデモ本の世界で山本弘さんが書いておられた。 まだ妊娠もしていない胎児との対話も可能と主張している、アレだったんですね。 こんなバカにそそのかされて水中出産をして、子供を...

とにかく「信じる」人はなんても信じちゃうんですね。 まさかここから UFO につながるとは思わなかった...

「育児文化研究所」はUFOカルト・・・

この育児文化研究所からは、紙おむつやめてという本も出てますよね。

今までの常識が通用しない世界で混乱している妊婦や乳児を抱えているおかあさんたちに、布オムツ奨励とか母乳で子育てという、育児産業でよく使われている手法から近づかれると、本人も気づかぬうちに別世界に足を踏み入れてしまうのだと思います。

酷い、酷すぎる。こうして段階的にニセ科学の深みへはまっていくんだなぁ。

胎児が娩出され、胎盤・卵幕が娩出されると、子宮内膜は血管の断端が露出した大きな傷と同じ状態になります。水中出産では、その状態に大腸菌などが混ざったお湯が直接触れることになります。

また、卵管を通して、そのお湯などが腹腔内に入る可能性もあります。

「自然な状態」で卵管から腹腔内に外部のものが入る状況はあり得ません。また、裂傷部も菌に汚染されることになります。重症化しやすい条件が重なります。

分娩での母体死亡をゼロにできない理由のひとつに、「羊水栓塞」という致死的な状況の発生があります。胎盤が娩出したあと、胎盤が脱落したあとの血管の断端から羊水の成分などが母体の血流に入り、血栓を作ってしまうのです。本当にまれな疾患です。水中出産では、その状態を起こしやすいといわれています。

水中出産では、介助者が児を受け止める場合もありますが、たいがいは「母親が自分で赤ちゃんを取り上げる」ことに意味を持たせています。

通常は、赤ちゃんが生まれ、胎盤が出て・・・その状況の時に、大出血の可能性をいつも頭に入れながら介助しますが、水中ではその観察が遅れます。出産後の異常出血は ̄〜2分間であっという間に500ml以上の出血になります。水中から、産婦さんを引き上げて出血に対応するまでに、おそらく1L以上の出血になります。通常、1.5L〜2Lの出血になるとICUの管理が必要になる可能性が高くなります。

以上のように、子宮内感染、出血、羊水栓塞が母体側のリスクです。

新生児側は、第一呼吸が遅れることによる新生児一過性多呼吸、感染による敗血症です。

ヒトが羊水中から出て、肺呼吸をするというのは最も劇的なことでこれが安定しないと赤ちゃんは、自分の体温を維持することも、おっぱいを吸うこともできません。呼吸が安定しないと、がたがたと全身状態が悪化していきます。

分娩台で、おかあさんに抱かれて家族の祝福を受けて「鼻が低いわね、誰似かしら」など喜びに満たされている間も、スタッフは常に赤ちゃんの呼吸が安定しているか確認しています。

新生児の感染には生まれて数時間ぐらいから症状が出始める早発型と、レジオネラの症例のように数日以降発症するものとあります。新生児は感染に対する抵抗力が十分でないので、敗血症や髄膜炎をおこします。

呼吸障害と感染が合併すれば、赤ちゃんにとってはかなり厳しい状態だと思います。

なんというハイリスク出産。くわばらくわばら・・・

カンガルーケアーについても、「自然」「不自然」の考え方が錯綜している印象です。

NICUの早産児のように生まれたときから保育器内で呼吸器やモニターに囲まれた赤ちゃんには、ひとの肌のぬくもりを感じる機会があるというのはとても大事だと思います。この場合、モニター類を装着した上での抱っこなので、安全の確認が行われています。

これぐらいならアリかな。

出生直後の新生児を、室内で(母の体温とタオルをかけて保温しても)裸のままにしておくことによる低体温と、腹ばいの状態での呼吸抑制の危険がカンガルーケアーの危険な点ではないかと思います。

出生直後の赤ちゃんの状態は、一見元気でもほんとうにさまざまです。

産声のあとしっかり呼吸が安定して「泣かない」赤ちゃんもいれば、胸式・腹式の呼吸をしながら呼吸を整えていて「泣けない」赤ちゃんもいます。

腹ばいにすると胸部腹部ともに圧迫されやすいと思います。

「気づいたら真っ白になっていた」状態で気づくことが多いと思いますが、その時点で20秒以上の異常な無呼吸があったのだと思います。

NICUの場合、酸素濃度センサーをつけたままなので、未然に防ぐことができます。

カンガルーケアーを勧める研究会が、安全のためのモニター装着を提案していますが、モニターまでつけて実施して得られる「自然な」あるいは「豊かな」母子関係の早期確立とは、本当に必要なことなのか問いなおす必要があるのではないでしょうか。自然に生まれて問題のなかった赤ちゃんに、発見が遅れれば蘇生術が必要になるようなことは無意味以上のことのように思います。

余計なことして危険を増やすのが「自然」とは。

こちらはちょいと変わって胎盤の話。

弟の研究室に来ていた留学生の方のご実家が内陸部で病院をされており、そこで出産があった折にはご実家の方がゆでて食べられていると言ってたそうです。風邪をひかなくなるとか、そういう理由で昔からある習慣のように話していたと記憶しています。その留学生自身はそのことについてどう考えているかというと、リスクが高いので止めて欲しいと思っていると聞きました。彼が学位を取得して帰ると医科大学が造られ教授になるという話も聞いていたので、西洋医学の教育をうけた人が戻り、これから教育に当たっていくことによってこういう習慣は少しずつ無くなっていくかもしれませんね。

それとは別に、日本でごくまれにでもそういう行為が行われているというのは、もしかしたら古い習慣も一部にはあるかもしれませんが、あまりにも自然から離れすぎて自然を知らないような人たちが、自然っぽいものにあこがれてやっているのかもしれませんよね。

胎盤食べるとか。古い習慣じゃなかなかやめないだろうなぁ。風邪をひかなくなるというのは母なる力とかそういう類だろか。

牛のBSEに対し、羊のスクレイピーは感染性のある胎盤を食べることによって感染し、子宮内での垂直感染もあるとのこと。

動物が胎盤を食べることは自然なことでもありますが、自然は新たな疾患や感染物質をも作り出すものなのですね。

衛生検査してるわけじゃないんだから、食べるのは「食肉」と比べてリスクが高いよなぁ。

妊婦の死亡数は出産10万件あたり6件以下と極めて低い。

しかも死亡率が高かった頃と比べて出生数が減っているから、同じ割合で比較した場合に実際の数は少なくなる状態。1%でも1000の1%は10で100の1%は1。

さらに、一人が出産を経験する回数が減っているので、一人当たりのリスクも減っている。

・・・にもかかわらず。

なんというか、医療不信から謎の「自然なお産」を選ぶかたがたもおられるようです。最新の医療に頼らないのであれば、今のこの低い妊産婦死亡率の恩恵にあずかることはできません。

個人的体験のレベルでは「産科に行かずに自然にまかせたけど、問題はなかったよ」ということになるわけです。1000件中999まではそういう体験になります。ただ、そういう例をたくさん集めてくれば、実は死亡率が高いのだということがわかります。

 

自分が問題を感じなかったからといって、同じことを他人に薦めるとしたら、相手に数十倍のリスクを押し付けていることになります。でも、たぶんほとんどの場合には問題が起きないでしょう。リスクを押し付けたことにも気づかないのでしょう。

個人的体験で語るというのは、そういうことです。

医療事故のリスクが嫌だから、なにか別の「自然っぽい何か」を選ぶというのは論理的に間違っています。

あるリスクのある行為を避けて別な行為を選ぶということは、別のリスクを選ぶことである、というのがわかってないのかなぁ。片方避けたら安心するみたいな。

人間て結構「何かやった」ということに満足してしまうから片手落ちになるわけだな。

多くの人が得る情報は、自身や口コミも含めた個人的経験と、マスメディアの流す情報がほとんどでしょう。そうすると多くの人にとって「個人的経験」ではない情報というとマスメディアの情報となってしまいますが、それはあまりまともではないし、むしろ事故がレアになるにつれてニュースバリューが上がってしまいますね。むろん、重要なのは信頼に足る統計情報であり、今は主体的に調べれば容易に得られる物ではありますが、この手の「被害者」はこういう物から遠い人達である様に思われ、そこが問題の難しいところかと思いました。

ニュースバリューか。リテラシー教育必要かねぇ。

国立感染症研究所感染情報センターのHPに麻疹の予防接種について、統計とその有効性が書かれています。

大阪周辺で流行した1999年は、麻疹による乳幼児死亡が約30人いらっしゃいます。このときの予防接種率が70数%です。

副作用の統計も載っていますが"10年にワクチンが改良されて以来副作用の報告は半減し50例程度、その大半が発疹、発熱などです。

この流行翌年の大阪周辺の方へのアンケートでは、ワクチンに否定的な方は0.2%、ワクチン未接種だったのは保育園通園中や若い母親などで接種の機会を逸したことなどが理由とされています。

麻疹による乳幼児死亡は年によって大きく変動があり数人だったりヽ0人だったりですが、いずれにしても「個人の体験」では実感は得られないことでしょう。たとえ、小児科に長く勤務する医療従事者でも、体験する方は「まれ」だと思います。

私達産科に勤める者が、直接(他のスタッフの体験ではなく)自分自身が産婦さんの死や新生児の死に出会うことが少なくなったように。

反対に、予防接種や薬害の重篤な副作用例は大きく報道されます。

これは情報として必要で正しい部分もありますが、一般の方にはやはりネガティブな印象のみ残ることでしょう。「自分の子供が副作用にあったら」という方が、「自分の子供が麻疹で死ぬのでは」と想像するよりも現実に近そうな感覚だと思います。

放っておけば高いリスクが低くなることより、何もしなければゼロのリスクが新たに発生することの方が目立つんだよな。効果は前者の方が高くても。

ある薬を使ったからとかいう理由で新規に発生するものは「量」で評価しないで良いからわかり易いんだろう。

ちなみに以下は自然出産にとりくんできた助産師の正木かよさんの著書、「夫婦でいいお産をしよう」よりの引用です。

P32 自然出産の意味を勘違いしないで

...

今から二〇余年前、ラマーズ法による自然分娩を求め、出産場所として助産所を選んだ女性たちは、自分の出産は自分で獲得するものである、という信念で、妊娠中健康保持にも積極的に取り組んでいました。自然分娩を追求していても、決して医療を否定しているのではありません。「産む性である女性として自分に携わっている力を信じたい。そして、出産という大仕事を任せてみたい。もし、自然に進まない場合は、医療のお世話になりましょう。」と、出産をお手伝いする助産師と、出産する女性の共同で、安全で快適な出産を追求していました。

しかし、最近、自然出産とは、自然の成り行きに任せる出産だと勘違いしている人が多くいて、心配しています

あれま。自然出産の先駆者から批判されてんじゃん。

ちょっと危険の認識に絡んで地震の話。

阪神大震災について

当時、関西出身者になぜ関西では地震が起こらないと思っていたかたずねたことがあります。その中に、関東の方では、東海大地震が来るとずっと言っているのに、関西ではそんな警告もないから安全だろうと思っていた人もいました。

変に一地域だけ警告すると他の地域の人が安全だと誤認することもあるようです。

ある人が地震について関東と関西で同じ警戒水準だと想像しているとすると、あるレベルの危険を関東で警告して関西で警告しない場合、関西には危険が無いと感じてしまう、ということか。

さて「人工的医療」と「自然」の出産それぞれはどうか?同じ警戒水準だと想像していないか?「人工的医療」だけが警告している危険があるんじゃないかな?それは「自然」が安全だということにはならないのだ。

ちょっと話がずれていまいますがせっかくの機会ですので、助産院の活用について書かせてください。

産科医不足の状況ががようやく一般の方に浸透してきましたが、だから助産院の活用を・・・というのは、もしかすると周産期医療レベルを昭和30年代にぐらいに落とすことになるかもしれません。

現在産科の先生方の3分の1ぐらいがゞ0代以上の先生方と聞いています。その年代でヽ65日_4時間の体勢をとっていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃいます。

あと10年後、産科医が増えず減少した時に、「お産は助産師だけで大丈夫だから」と任されたときに、周産期死亡率はぐんと上がるでしょう。

「正常なお産」とは、出産がすべて終了した時に初めて「正常だった」といえることで、妊娠経過が順調だから「正常になる」とは言えません。

また、当然妊娠中のお母さんのさまざまな努力や信念とも無関係に起こり得ます。

赤ちゃんが無事生まれて、胎盤が出てほっとしたところで致命的な出血を起こすこともあります。医師と協働しているから、すぐに対応できて異常にならなかった分娩は相当な数だと思います。

出産中の急変、産後の出血は1分2分の対応が大事です。医療から距離があればあるほど、死へのリスクは高くなります。

「正常分娩は助産師で」というのは、戦前に「無資格者による介助ではなく助産婦で」という意味のスタートだったのだと思います。

「正常分娩は産科医がいなくても、助産師だけで」というのであれば、昭和30年代の母体死亡年間2000人の時代になることでしょう。

助産所には嘱託医が必要ということになってますが、つい最近まで、産科に無関係なお医者さんでもよかったんですよね。事実上、単なる名義貸しで、医療との連携が取れてないのが普通のようでした。

現在、経過措置として、地域病院による名義貸しを認めているようですが、これも連携が取れているとはいえないですよね。

おそらく、いわゆる助産所(医療機関と物理的に離れているもの)は、日常の健康相談・管理に業務範囲を留めるのが安全なんじゃないかと思います。

お産が正常かどうかの判断は、地震予知と一緒で、結果論的にしかわからないようですね。例えば、お産の後で、胎盤とつながっていた子宮の血管がうまく閉じないと、大量に失血してしまうことになるようなのですが、それは、実際に問題が起こってからしかわかりませんしね。


近くに産科医がいないとまずいなぁ。うちの近くの産婦人科も取り壊してしまったけど。10年後どうなってるのか。

私の家内も助産所にお世話になりました(出産は病院でした)。

育児のよき相談相手、という感覚でしたね。

助産所に足繁く通っている患者さんの中には、医師等の説明不足に起因する不信・不安を抱えている方が少なくありません。

こういう方々に、助産師が不適切な情報を吹き込むことで、その後の育児においても「予防接種は怖い」「抗生物質は服用しない」「自然万歳(なんのこっちゃ?)」という保護者が生み出されているという現実があります。

助産師がホメオパシーや個人的経験談(通ってくる患者から得た「自然」の成功談や、西洋医学への不信等)を不安を抱えている保護者に吹き込むとは、ビリーバーを生み出す絶大な効果を発揮していると思います。

相談相手、ね。それは必要かも知らんが中には問題ある人がなぁ・・・まぁそれ言ったら医者にもいるか。

お母さん、赤ちゃんの悲しい死をできるだけ減らすためには、助産院を開くことではなく、産科医・小児科医を減らさないこと以外にないと思います。

現在助産院での出生は、日本の出産の1%程度です。助産師だって多くないので、助産院が産科医の仕事を減らせるほどの分娩は請け負えないでしょう。

助産院は300軒弱ですが、ゆっくりかかわれるお産のために月に2〜3件程度しか受け入れていないところが多いようです。これを「もっと助産院で産みなさい」となって分娩数が増えれば、助産院自体もサービスの低下となるでしょう。またそれだけ異常分娩になって搬送しなければいけなくなる割合も高くなることでしょう。

産科の先生方にしても、それまでの経過がわからないまま急変して搬送されてくるのを受け入れるより、妊娠中から関わっている方が早く対応できます。

医師ときちんと連携をとっている助産院もあると思いますが、助産院の非難ではなく、自分自身が開業することを想定したらリスクが大きすぎます。

助産院は医療処置ができない。

母子の生命を預かる場で、それは安全性と言う点で、それこそ致命的ではありませんか?

これだけ医療のリスク管理が言われている中で、たとえば嘱託医の病院に5分で搬送できる場所にすること、あるいは総合病院付属にすること・・・など、厳しい条件があっても良いのではないかと思います。

そして効果の不明な民間療法などを安易に勧めない、という条件も是非必要と思います。

なんか深夜に受け付ける医療センターの話思い出すな。爆弾の導火線に火をつけて渡してくれるとかなんとか。対処不能な患者ばかり引き継がれてもたまらんわな。

お産ライターというような職業があったり、とにかく出産は、病院の外でお金になるものだとおもいます。

助産院では医療行為が出来ない、"私たちは見守るだけ"だというようなことを仰っているところが多いのに、病院並みの料金です。

自宅分娩は、結構な割合で助産院で産むよりも高いです。

流行つつあるという"プライベート出産"では、「ただいるだけの助産師にお金を払うのも損だ」という意識程度で選択してしまいそうになっている方もいます。

そこに、"神秘的"だとかという言葉を付け加えているだけです。

海辺で産むとか、実話であります。

「出産は金になる」か。医療・健康に関わるニセ科学的なものは悪徳商法と結びつくってことで、「お産」も魑魅魍魎に狙われているわけだなぁ。全てが悪意ではないだろうけど、区別も困難だろう。

子供が死んだという経験がないことは幸せなことですが、人の不幸を聞いても『都合が悪い存在』としかおもえない人こそが不幸だとおもいます。

助産院が今のまま存続するのは問題が多すぎるとおもいます。

また、産科医療の崩壊を助産院が食い止めるとはおもいません。

助産院での事故を経験されている方は"自己責任"で苦しんで、公に出来ないケースが多いです。

自然出産コミュニティの話はなんか不気味だなぁ。自分達のコミュニティを守る為に危険を隠蔽するなんて、何の闘争してんだ?

それと知らず選択して後で身をもって危険を知るなんて最悪だよ。

第一子を産んだ町の産科医さんは駅前の大きなビルで、何十人という妊婦さんを抱えていると思うのですが、医者は一人だけで、とても大変そうでした。いざ出産の時も陣痛の始まった妊婦さんたちが順番待ちで、流れ作業的に扱われたり、しんどかったようで、同じところで産みたく無かったようです。近くの産科医で空きベッドを探したりしたのですが、なかなか見つからず、うちに出会ったのが助産院でした。

私自身や、弟の出産を見守った姉(へその緒は姉が切りました)にとっては良い経験でしたし、連れ合いにとってもゆったりとした気持ちで過ごせ、産後も楽だったようです。

このことが、自分たちにとって良い経験であることに代わりはありませんが、今回いろんな意見や、琴子の母さんのブログも見せていただいて、もし仮に、人にたずねられて経験を伝えるようなことがあったとしても、慎重に言葉を選ばなくてはと改めて感じました。

混んでるせいで流れ作業的なのがイヤだから助産院。やっぱり産科不足だよなぁ。

無資格者が臍の緒を切るのは違法行為です。

看護師の内診問題を大騒ぎする助産師、助産院、助産師会がまず、自分達の行動を見直すべき項目でもあります。

もしもお姉さんが有資格者であれば別かもしれませんが、多分そうではないでしょう。

小さなことを、重箱の隅を突っついてとおもわれるかもしれませんが、臍の緒を切る行為を軽視していることへの警鐘も鳴らされています。

夫であろうと誰であろうと、無資格者が切るのは違法だということをマスコミもいうべきですが、テレビでも"素晴らしいお産"かのように臍の緒を切る場面を堂々と放映しているくらいですからね。

なるほど。へその緒切るのも医療行為ね。

ここまでコメントされた方の内容を読んでも、「自然なお産」という言葉はとても幅広く人それぞれのイメージかと思います。

「自然なお産」には、市民運動的な背景、流れがあります。

70年代に医療の中での患者の権利への目覚め、医療消費者運動として病院でのお産への不信や批判が出始めました。

80年代には朝日新聞に連載された「お産革命」を機に、医療機器(分娩台を含む)に囲まれた「病院での産まされるお産」への批判、反対に「あたたかいお産」の助産院への期待が、自称バースコーディネーターという人たちの活動を通して、広がっていきます。

日本だけでなく、世界中で施設分娩への移行期だったので同じような運動があり、後押しされました。

90年代以降には、「自分らしいお産」ということでアクティブ・バースや水中出産、アロマセラピー、カンガルー・ケアー、さまざまな演出が広がっていきます。

病院は「不自然なお産」で遅れていたかというと、そんなことはありません。

もともと日本の産科の先生達はお産は助産師にまかせて生まれる時に登場されていましたので、私の病院経験でも経過が問題なければ赤ちゃんの頭が見える頃に医師を呼びます。

医師が必要以上に手を出すことはなく助産師に任されているので、助産院vs病院のような言われ方をすると、「私たちだって院内『助産院』だよね」と揶揄していました。

それが最近ヽ6.TBNさんが紹介されているような、「新しいシステム」のように持ち上げられている院内助産院の語源です。

90年初めには、立会い分娩、母子同室もすでに多くの病院で取り入れていましたし、病院側もどんどん変化しています。

では、助産院と病院の分娩の違いは・・・となると、やはりどれだけ産婦さんのそばに付き添えるかというマンパワーの問題だと思います。

「人手不足」

「病院なんかで働いていられない」と辞める助産師の原因のひとつだと思います。

「病院ではつらいお産の間、ひとりにされた」「ゆっくり話を聞いてもらえなかった」

だから助産院はいいのよ・・・という方向になったのだと思います。

残念なのは、ここで病院はなぜ産婦さんや赤ちゃんに十分関われないほど人手不足なのか、どうしたら十分なスタッフが確保されて産む人も介助する人も満足できるのか解決しようという方向に行かなかったことです。

皆さん、新生児は入院患者数に含まれていないことをご存知ですか?

たとえば30人の入院患者さんと15人の新生児がいても、その病棟の入院患者数は30人としかみなされません。基準看護で看護スタッフの配置数はこの入院患者数で決まります。

「大事なわが子のために、是非看護スタッフをを多くするように改正してください」という声が高まれば、この「自然なお産」の流れも違っていたのではないかと思います。

「医療消費者運動」「お産革命」「バースコーディネーター」そんな背景が。

同じ助産師でも病院だと忙しすぎて辞めてしまうというのはなんかおかしなことになってるな。

出産は病気ではないというのが現行医療保険制度の前提のため、新生児は患者ないので、保険上の入院患者としては算定しません。(NICUなどに入るような医療保険上病気として認められる場合には、入院患者として数えます)

出産にかかわる人件費は私費で全てをまかなわないといけないので、本来は配置基準とは関係ないはずです。ただし、本当の入院患者向けの治療があるので、そちらから最低限の看護師が決められます。病院が自己負担をもとめて適正な人数を配置するのではなく、いままでは、医療保険用患者の看護師で回してきてしまったのですね。

だいたい助産院と病院で費用が一緒というのがおかしいです。本当は病院側の費用はもっと高くなってないと。

「普通に産まれた赤ん坊は健康だから看護師要らないよね」ってをい。どうにかならないのかこの制度。

長女は大学病院で生んだんですが、外来と病棟での勤務体制を一緒にして、急にお産が始まって病棟に上がっても、誰か必ず外来から見知った助産師さんがいる・・という感じにされてました。

やはりお産は心細いものですから、どなたか必ず、自分の細かい事情を知ってくれている人がいるというのは・・私にとって心強ものでした。

また持病を抱えながら妊娠してる方のハイリスク外来もあったので、

外来から患者さんには受け持ち助産師さんがいて、細やかに話をきいていたり、経過の気になる妊婦さんが外来に来ていると、受け持ち助産師さんは、病棟勤務の夜勤明けに外来にちょっと顔を出されて相談にのっていたりされていました。

二つ目の次女、長男を生んだ病院もいつも丁寧にDR、助産師さんとも話を聞いてくれて、産後は母子同室で、毎日かならずおっぱいマッサージを時間をかけてやっていただいたり、母乳についての相談もよくしてくれてました。私にとっては妊娠から産後の一ヶ月健診までも含めて、長いマラソンコースを伴走していただいた、アットホームな場所・・といった

感じでした。

病院によって色々なんだなぁ。

そうなんです、前から疑問だったんですが「お産は病気ではないから

保険は適応されない」といわれますが

確かに疾病ではないんですが、身体にかかる負荷は疾病寸前の症状がでるよう思います。

悪阻だったり腎臓にかかる負担であったり・・それに出産には出血のリスクがともないますし、何より、お産は24時間いつ起こるかわからないものです。

対応するDRやスタッフも人手のいるものであるので、大切な人手の確保としてもっと産婦人科の診療報酬を高くして、産婦人科の方々の努力が報われるような体制になったほうがよいのに・・と思うんです。

安全を守るにはコストと人手がかかると思うのに・・。

診療報酬のことを医療保険からの報酬ととらえると、保険の適用外なので多少増やしても、出産のための人員強化には向かいません。

ある程度の人数をちゃんと用意するのであれば、米国並みの100万円が妥当なんじゃないでしょうか。それを半額で請け負っているのですから、そのぶん産婦と医療スタッフとのやりとりにかける時間が減るのは当然でしょう。また、医師を雇わないですむ助産院は品質を落とすことで、患者との対話する時間を維持してるのでしょう。

ただ、各病院が適正な価格まで値を上げたら、ますます、貧乏人が代替医療に流れるだけな気もするんで難しいですね。

産科関係のブログで、分娩1件にかかる費用は60万程度で多くの施設は持ち出し分が多いと書かれていました。

出産一時金は35万から38万になり、さらに40万ちょっとに値上げされます。(いい加減な数字ですみません)

これは、分娩があるかぎりゼロにはできない脳性まひの赤ちゃんとご家族のための補償制度が始まったためです。

3万円を妊婦さんが民間の保険会社に支払うという、ややこしいシステムです。国が最初から分娩費と補償制度に責任を持てばわかりやすいのに、やはり分娩は自費という方法を急激に変えられないからでしょうか。

院内助産院や助産所を賛美する背景には、自費で、医療費削減にもつながるからではないかと、思えます。

助産師の会陰切開・縫合を解禁しろという議論が、医療現場からでなく経済諮問会議というところで話し合われたことを考えると、あながち突飛な想像ではないのでは・・・と思います。

今、助産師が完全に独立しにくい理由に、会陰裂傷が起きた時に軽いもの以外は医師の縫合が必要であることが大きいと思います。

イギリスの助産師のように縫合術をできるようにすれば、助産師だけで完結できるお産が増えるので、医療資源を使わなくて済むということでしょう。で、経営には飲食業やらドラッグストアーなども参入OKという時代がくるかもしれません。

なんつーかやっぱ医療費削減とか出てきますか。自己負担増やせば今度は少子化問題に繋がるしなぁ。貧乏人が病院に行けないなんてアメリカ並みの社会はイヤです。

冷たいのは病院ではなくて家族ではないかと思えるんですね。自宅だって家族が全く非協力的だったら冷たい雰囲気ですよね。病院が冷たいと感じるのは、他人の病院スタッフが家族の愛情の肩代わりまでしてくれるので、家族は何もしないでよいと勘違いしてるからじゃないかという気がします。病院が提供するのは専門的で安全なサービスで家族の愛情とは別種のものですよね。病院を利用すればそういうサービスが付加されるだけで、家族の愛情が減るはずはないのですが。

医者は冷たいけれど、ホメオパスは親身になって話を聞いてくれるなどというのも、なにか満たされないものがあるからじゃないかという気がします。詐欺もそういう心理に付け込むわけですし。

高度な医療施設程患者の満足度が低いって話があったな。期待してる「サービス」の質が違うわけね。

まず、妊婦検診は14回の検診のうち

今まで5回の公費負担だったのに加えて、残りの9回を国と地方自治体とで半分つづ負担となるようです。

財政状況の悪い自治体もあるので、お住まいの場所によっては完全に無料化にならない場合もありえます。

駆け込み出産などの対策の意味もあるでしょうねぇ。

妊婦検診は赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても大切だから

きちんと受けて欲しい事です。病院側だって患者さんの基本データをしっかり確認して妊娠の経過を知っておくことは、いつはじまるか、何が起こるかわからない妊娠中やお産にとって大切な資料になっているものでしょう。

そして、平成21年10月からは、各医療保険者から直接病院などに出産育児一時金を支払う仕組みになるようです。

出産費用踏み倒し防止の意味合いも濃いのでしょうか。

をを、色々やってるじゃないの。だったら少し病院の費用が高くなっても良い?

医療者は、第三者。

でも、家族とはちがうけど病院にいる、身近な第三者として

相談できたり、自分自身の位置確認みたいことさせてもらったり、

家族とは違う温度で牽引してもらったり・・とその第三者として

患者の家族だった私はフォローをいただいて助かっていたようにおもいます。

本来なら、患者さん本人が歩かれる道だから、ご家族と、医療者と

形の良い正三角形でお互いいられたら、良いバランスだと思うんです。

その家族とのバランスなどが何かの原因でくずれちゃうと、より不安が強くなって

過度に家族的なものを医療関係者に求めてしまうのかなぁ・・と。

その不安につけこむ不届き者がいるんだなぁ・・・と。

でも、やはり

一部ですが、キツイ発言の医療者や、心をどこかに置き忘れたような

医療者もいます。私も母の闘病中にでくわしました。

そういう一部の不届き者がニュースとして取り上げられると、また口コミ

とかで流れると、

一部が全体のイメージと刷り変わってしまうでしょうか。

病院でのお産が冷たい・・・というのもそういった刷りかわりのなかで

広がっていったんでしょうかねぇ。

「身近な第三者」ね。そういうとこも求められるのがプロですか。患者が安心して協力的であるというのも大事なことだしなぁ。



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