そこで、『葉隠』の中から今日のビジネスマンにも通じる言葉を抜粋して、現代風解釈を加えてみよう。
「人の心を見んと思はゞ煩へ。」と云ふことあり。日頃は心安く寄合ひ、病氣又は難儀の時大方にする者は腰抜け也。
全ての人の不仕合せの時別けて立入り、見舞附届仕るべき也。
恩を受け候人には、一生の内疎遠にあるまじき也。
斯様の事にて、人の心入は見ゆるもの也� ��
多分我が難儀の時は人を賴み、後には思ひも出さぬ人多し。
『人の本心を知るには病気をするに限る』
人の心を見ようと思うのならば、病気を患え」と言う諺がある。
日頃は親しく付き合い、病気や、問題が起こった時にいい加減な事をするのは腰抜けだ。
全ての人が不幸せの時に特に立ち入って、見舞うべきだ。
恩を受けた人には一生、疎遠にしてはならない。
この様な事で、人の心入れは見えるものだ。
多くには、自分が問題を抱えた時は人を頼り、その後で思い出しもしない人が多い。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
人中にて欠伸仕り候事、不嗜なる事にて候。
『人前での欠伸は恥ずかしい』
人前で大あくびをするなどもっての外。
欠伸をしそうになったら額を撫で上げれば止まるもの。
それでも駄目なら舌で唇を舐めて口を閉じ、手で隠すなどして人に見られないようにすべきである。
くしゃみも同じである。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
翌日の事は、前晩よりそれぞれ案じ、書きつけ置かれ候。
これも諸事人より先にはかるべき心得なり。
『翌日のことは前日の夜から考えておく』
誰がシドニーユーゴスラビア旅行代理店1972爆撃
やるべきことを当日になってから準備するのでは遅すぎる。
前日の夜には準備は終えておくこと。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
今時の奉公人を見るに、かう低い眼の着け所なり。
スリの目遣ひの様なり。
大かた身のための欲得か、利発だてか、又は少し魂の落ち着きたる様なれば、身構へをするばかりなり。
『現代サラリーマンは志が低い』
現代のサラリーマンは志が大変低いように思われる。
大体が自分のための欲得で動き、小利口ぶった態度で振る舞う。
多少よくても、何かとカッコつけたがるだけである。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
直茂公の御壁書に、「大事の思案は軽くすべし」とあり。
一鼎の註には、「小事の思案は重くすべし。」と致され候。
『大事なことは前もって考えておく』
直茂公の遺訓に、「大切なことを思案するのは簡単に済ませなさい」というのがある。
一鼎(佐賀の儒者であり、山本常朝の師)はそれに注記して、「小さなことはしっかり考えなさい」と述べた。
ようするに、大切なことは常日頃から思案しておき、いざというときには即断即決するべきだということである。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
一度誤りたる者に候故、請に立ち申し候。誤一度もなき者は、あぶなく候。
『一度も過ちを犯したことのない人間は信用できない』
一度失敗した経験がある者は、それを後悔して慎むようになる。
逆に一度も失敗したことのない人間は、危なくてしょうがないものだ。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
大酒にて後れを取りたる人数多なり。
別して残念の事なり。先づ我が丈け分をよく覚え、その上は飲まぬ様にありたきなり。
その内にも、時により、酔ひ過す事あり。酒座にては就中気をぬかさず、不図事出来ても間に合ふ様に了簡これあるべき事なり。又酒宴は公界ものなり。心得べき事なり。
『酒の席での失敗に注意』
不況と失業
酒席で失敗する人は数多い。
自分の酒量を知って、それ以上飲まなければいいのだが、そうはいかずに飲み過ぎてしまうこともあるだろう。
酒席ではつねに気を張って、何があっても動じないようにしたいものだ。
酒宴は本来楽しいものなのだから、十分注意したいものだ。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
大雨の感と云ふ事あり。
途中にて俄雨に逢ひて、濡れじと道を急ぎ走り、軒下などを通りても、濡るる事は替らざるなり。
初めより思ひはまりて濡るる時、心に苦しみなし、濡るる事は同じ。これ万づにわたる心得なり。
『走っても隠れても雨に濡れるときは濡れる』
大雨の戒めということがある。
突然のにわか雨に遭って、濡れないようにと走ったり、軒下を通ったとしても、濡れるときは濡れる。
初めから濡れると腹を決めれば苦にならない。
この心がけは何事にも通用する。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。
大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり。 一関越えたる所なり。
『困難に出会ったら喜び勇むこと』
困難に出会って気を動転させないというのは普通のことだ。
困難に出会ったときこそ、おおいに喜ぶべきである。
これは上級者レベルといっていいだろう。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
若きう内に立見して御用に立つは、のうぢなきものなり。
発明の生まれつきにても、器量熟せず、人も請け取らぬなり。
五十ばかりより、そろそろ仕上げたるがよきなり。
その内は緒人の目に立身遅きと思ふ程なるが、のうぢあるなり。
『若すぎる出世はよくない』
若いうちに出世して、お役に立つのは効果がない。
いかに賢く生まれついても器が足りなければ人もついてこない。
50歳くらいになってから実力を発揮しだすくらいで、周囲からは出世が遅いと見えるくらいのほうが、本当の役に立つのである。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
拷問の女性
四十歳より 内は知恵分別を除け、強み過ぎる程がよし。人により、身の程により、四十過ぎても強みなければ、響きなきものなり。
『40歳までは知恵や分別に流されてはいけない』
40歳までは知恵や分別に流されず、気力が強すぎるくらいがいい。
ただし、人や身分よっては、40歳を過ぎても気力が充実していないと、何事も成就できない。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
この前寄り合い申す衆に話し申し候は、恋の至極は忍恋と見立て候、会いてからは恋の丈が低し、一生忍んで思い死にすることこそ恋の本意なれ。
『極限の恋は忍ぶ恋』
先日集まった者たちに話したのは、究極の恋は"忍ぶ恋"ではないかということである。
逢ってしまえば恋の程度は下がってしまうから、一生忍んだまま片思いで終わるのが恋の本質である。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
結構者はすり下り候。強みにてなければならぬものなり。
『好人物は落ちこぼれる』
好人物ほど人に後れを取るもの。気力に溢れていなければならない。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
「水増されば船高し」といふことあり。
器量者又は我が得方の事は、むつかしき事に出会ふほど、一段すすむ心になるなり。
迷惑がるとは、いかい違ひぞとなり。
『水増せば船たかし』
「水増せば船たかし」ということわざがある。
才能のある人や自分が得意とすることには、難しいことに遭遇するほどいっそう張り切るものである。
迷惑がるのとは大違いだ。
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
公事沙汰、又は言ひ募ることなどに、早く負けて見事な負けがあるもの也。相撲の様なもるもの也。
勝ちたがりて、きたな勝ちするは、負けたるには劣る也。多分きたな負けになるもの也。
『見事な負けと汚い勝ち』
議論の場などで、持論をさっさと引き上げて相手の論に従う見事な負けというものがある。
一方、何が何でも勝ちたくて汚い勝ち方をすれば、それはただの負けどころか、結局のところ、汚い負けになってしまうのだ。
以下の動画、必見です!!
425事件 中南海への陳情の真実(上)
425事件 中南海への陳情の真実(下)
0 件のコメント:
コメントを投稿